松豊会 :「おさらい会」を開催
三味線合奏を披露する松豊会のメンバー
日本民謡「松豊会」(佐藤松豊主宰)は13日、ガーデナ市にあるケン・ナカオカ・コミュニティーセンターで「おさらい会」を開催した。生徒やその家族らおよそ40人が集まり、生徒は日頃の練習の成果を披露した。【吉田純子、写真も】
松豊師(左)の三味線の音色に合わせて「お江戸日本橋」を歌う川上愛実さん
年に1度、毎年開催されているおさらい会は、三味線を弾きながら民謡を歌う機会を作ろうと始まったという。あえて難しいことに挑戦することで生徒は成長し、歌いながら三味線も弾けるようになっていくのだという。
生徒全員による三味線合奏で幕を開けたおさらい会では、生徒や名取、師範らが日本各地の民謡、端唄、俗曲などを披露した。
「三味線と歌が大好き」と語る川上愛実さん(9歳)はこの日、松豊師の三味線の音色に合わせて「お江戸日本橋」を歌い上げた。愛実さんの母で、南加地区で活躍する日本舞踊の坂東秀十美師は、「親子で一緒に日本の伝統芸能を共有できうれしく思います」と話し、これからも親子で日本文化の普及に携わっていくようだ。
三味線で「さくら さくら」を披露した平原あきさん(左)、ふうかさん姉妹
平原あきさん(8歳)、ふうかさん(6歳)姉妹は今年7月に入会。きっかけは妹のふうかさんが「三味線を弾きたい」と言い出したことだったという。「着物も着れて楽しい」と姉妹は話し、習い始めてわずか4カ月ながら、初舞台で三味線と歌を披露した。 「習い始めて数カ月でもこうして舞台に立つと自信がつきます。着物を着て、日本文化に親しみがわくと何かが変わるのです」と話すのは松豊師。日頃の稽古も床に正座しあいさつするところから始まる。見えない日本の美徳、マナー、礼節を体から生徒たちは学んでいく。こうして稽古を通して身に付いた礼節、日本の心は、知らず知らずのうちに芸にも現れてくるのだという。 「日本の伝統芸能の魅力をどうしたら米国人に伝えられるか、50年試行錯誤していますが、今も戦っている最中なのです」。来年の目標は鼓を10人、子どもたちを10人増員し、民謡に親しみをもってもらうことだという。 遠く離れたアメリカから日本を見るからこそ、日本の良さをあらためて感じる人々がいる。「来年は地域の人々にも来ていただいて、多くの人に民謡に親しんでもらいたい」と力を込めた。
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