沖縄系デーブ・ロバーツ氏就任:「LAに優勝をもたらしたい」
オーナーのマジック・ジョンソン氏(左から2人目)からユニホームを贈られ、祝福を受けるロバーツ新監督
ドジャースの第10代監督に就任したデーブ・ロバーツ氏(43)が1日、ドジャー球場で行われた記者会見に臨み、「『希望と夢』を持って、ロサンゼルスに優勝をもたらしたい」と、意気込んだ。契約は3年。背番号は、ドジャースの現役時代と同じ「30」。
記者の質問に笑顔で答えるロバーツ監督
ロバーツ氏は、米海兵隊員だったアフリカ系の父ウェイモンさんの仕事の関係で沖縄で生まれ、那覇市松川出身の栄子さんを母に持ち、ドジャースの球団史上初の非白人の「マイノリティー監督」となった。日本人の血を引く大リーグ監督はマリナーズを率いたドン・ワカマツ氏(現ロイヤルズベンチコーチ)以来2人目。
8歳まで沖縄で過ごしたロバーツ氏は、渡米後は主にサンディエゴ近郊のビスタで育った。UCLAを卒業後、タイガースと契約。移籍したインディアンズで1999年にメジャーデビューを果たした。その後はドジャース、レッドソックス、パドレス、ジャイアンツに所属し、俊足の外野手として活躍し、09年に現役を引退した。ドジャースでは、野茂、石井両投手の同僚だった。2004年にはレッドソックスでワールドシリーズ優勝に貢献。引退後は、パドレスで特別補佐役、11年から今季までコーチ(14年から2年間はベンチコーチ)、ブラック監督の解任後の1試合の監督代理を務めた。
就任会見で、球団オーナーの1人のマジック・ジョンソン氏から手渡された真新しいユニホームに袖を通した新監督は「今日は私にとって大きな1日である。チャンスを与えてくれた球団に感謝したい。夢の仕事に就くことができ、これ以上興奮することがないほど、とても興奮している」と喜びを語った。
日本のメディアに囲まれ、息子のデーブさんについて語る母の栄子さん
ドジャースについては「球団とフランチャイズは、人々と選手に大きな影響を与えるので、責任を感じ、失敗はできないと思っている。同じゴールに向かって進み、希望と夢を持って、ロサンゼルスに優勝をもたらしたい」と抱負を述べた。
日本と地元日系社会からの期待について「支援にとても感謝している。日本人の母は、私を誇りを持って育ててくれ、日本と沖縄人は私の一部分である。(期待に)プレッシャーを感じることもあるけど、サポートを歓迎したい」と述べた。日本選手の獲得については、スカウトは「自身の仕事ではない」とし、発言を避けた。
会見に同席したアンドリュー・フリードマン編制部門取締役は、ロバーツ氏の監督としての資質や強いリーダーシップを高く評価したといい「われわれは、デーブが素晴らしい役割を果たしてくれることに自信を持っている」と述べた。ファーハン・ザイディーGMは監督の人選でチームをまとめる力を重視したとし「チームの調和を保ち、若い選手を活躍させてもらいたい」と期待を寄せた。
トミー・ラソーダ元ドジャース監督(右)から激励を受けるローバーツ監督
会見は家族が見守った。母栄子さんは、監督就任について直接ロバーツ氏から電話をもらい「まさか、ここまで来るとは思わなかったので、びっくりして、信じられなかった。とてもうれしく、とても誇りに思う。もっともっと頑張ってほしい」と期待を寄せた。ドジャースの応援は「できるだけ見に行きたい。『ゴー、ドジャース』」と熱を入れる半面で、「誰も落胆させないように頑張ってほしい」と、心配する親心を見せた。【永田潤、写真も】
家族で記念写真に収まるデーブ・ロバーツ新監督(右から3人目)。左隣が母親の栄子さん
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