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Writer's pictureRafu Shimpo

生徒が学習の成果を発表:思い思いの表現で写す


展示した作品を披露する写真教室の生徒たち

展示した作品を披露する写真教室の生徒たち

 日系パイオニアセンターの写真教室で学ぶ生徒が学習の成果を発表する写真展が11月21、22の両日、日米文化会館で開かれた。20人が思い思いの表現で写した力作を披露した。

 展示は毎学期の終わりに催しており、今回で4回目。総数105点の作品は、12×18インチのサイズに統一されたカラー写真ばかり。米国内をはじめ、日本、中米、欧州を旅して撮影した風景写真が大部分を占める。  生徒は授業で習った通りに、主題を決め、構図は前景と背景を考えて、被写体をフレーム内に収めた様子がうかがえる。花や植物の接写は、フォーカスボケや手ブレはなく、シャープで美しい。竹林に満開の桜、紅葉、神社仏閣は、風情や季節、文化が感じられ、鑑賞した日本人の多くが故国への郷愁にかられたことだろう。桟橋の向こう側から、まぶしく太陽光が差すが、逆光を利用しシルエット調にしたり、川面の反射を巧みに使って、木や植物、橋、空を映し出すなど、工夫を凝らしている。  2カ国を旅行した余田道子さんは、作品8点を紹介した。3月にキューバを訪れたのは「アメリカナイズされる前の社会主義体制を記録に残したかったから」。町に悠々と走る1950〜60年代に製造された大きな米国車はピカピカに磨かれ、その写真はひと際目を引いていた。ロシア各所で目にした美景は「ポストカードのように写らないように」と心がけて撮影に専心したといい、赤の広場や礼拝前の教会は、一味違った市民の生活感が漂う写りとなった。4年間クラスで習い「なかなか教わったことができなけど、撮るのはおもしろく記念になる。写真を始めて旅行するのが楽しくなった」と述べ、趣味を謳歌しているという。  写真教室は、開講して今年で4年が経った。講師の岡田信行さんによると、一通りの基礎技術を身に付けた生徒は、習い始めに使っていたコンパクトカメラでは物足りず、より質の高い作品作りのために、一眼レフやミラーレスなど性能のいいカメラにアップグレードする人が増えているという。  その1人の大橋タカさんは、買ったばかりのカメラを持って、ネバダのバレーオブファイアーへ撮影旅行に出かけた。当日はカ氏120度という、うだるような暑さにもかかわらず、約2時間撮影に集中できたのは「赤岩の写真を見る人が、吸い込まれるような作品を作ろうと思ったから」と語り、風化という歳月をかけて自然が作り出した岩の芸術を、強い光と影のコントラストを駆使して引き立てた。展示について大橋さんは「見に来てもらうと励みになる。そして仲間の作品を見ると刺激され、自分もうまくなって、もっといい写真を撮りたいという意欲が湧いてきていい」と述べた。  写真教室は来期を来年2月に始める予定で、生徒を募集する。問い合わせは、パイオニアセンターまで、電話213・680・1656。【永田潤、写真も】

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