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Writer's pictureRafu Shimpo

由紀さおり、安田祥子インタビュー:童謡、唱歌でファンを魅了

由紀さおり(左)と安田祥子は、LAのファンを喜ばせることだろう

由紀さおり(左)と安田祥子は、LAのファンを喜ばせることだろう

 「オーロラ日本語奨学金基金」(阿岸明子代表)主催のベネフィットコンサート(29日土曜日午後5時、アラタニ劇場)が由紀さおり、安田祥子姉妹を迎え開催される。公演を前に、オーロラ基金の阿岸代表がインタビューし意気込みを聞いた。1986年にスタートした姉妹のコンサートは2500回以上を重ね、日本語の持つ美しさや季節のうつろい、命のはかなさを歌った日本の童謡、唱歌をはじめ、日本で生まれた曲の数々を歌い「次世代に1曲でも多く残したい」との思いを伝える活動を行っている。2人の澄み切った美しい歌声と心を打つ言葉の数々に、ロサンゼルスのファンは魅了されることだろう。

阿岸 由紀さおりさんと安田祥子さんは、ロサンゼルスと長年かかわりがあり、たくさんのファンがこの秋のコンサートを楽しみにお待ちしております。久しぶりのLA公演ですが、姉妹それぞれに今回のコンサートの抱負、どんなお気持ちで臨まれるのか、お話ください。これまでのLAに来られた時の思い出もお聞かせ下さい。 由紀 リトル東京にお店を持っておられた方々とのたくさんの思い出や、日本語の補習校、日系の引退者ホームで歌わせていただいたことなど、たくさんの感動の思い出の地です。また、日米劇場で再び、歌える日が来るなんて本当にうれしいです。

由紀さおり(左)と、安田祥子は、29日のコンサートに出演し、美しい声で童謡、唱歌を披露する

由紀さおり(左)と、安田祥子は、29日のコンサートに出演し、美しい声で童謡、唱歌を披露する

安田 お正月にうかがうことが多かったので、日本の都会には見られない「おもちつき」をはじめ、お正月らしい行事や風景をみることができ驚きました。お声掛けくださる皆さまが、日本のことを大切にしていらして、楽屋にもお茶、お菓子、お弁当などを差し入れて下さいました。日本的なものを用意してくださり、「おもてなし」の温かい心がとてもうれしかったです。 阿岸 ロサンゼルスにはこれまで何回来られていますか。初めはお母さまもご一緒にいらしていたと聞いていますが、お母さまと3人のLAでの思い出を教えてください。 由紀 お正月のイベントとして、5回(1995年、96年、97年、98年、2001年)呼んでくださいました。帰りはラスベガスに寄って帰国しました。母のことを覚えていてくださる方も多くうれしいです。母はこんな風に外国で、私たちが歌わせていただけることは思いもよらなかったと思います。 安田 みなさんが母をとても大切にケアしてくださり、とてもLA行きを楽しみにしていました。今のようにモールが日本にはありませんでしたので、ショッピングに連れて行っていただき、アメリカの雄大さの全てを堪能しました。 阿岸 さおりさんと祥子さんのお2人の童謡コンサートはLAの皆も懐かしく、公演にたくさんの方が駆けつけると思いますが、最近のお2人のコンサートはこれまでと比べて何か変化などはございますか。 由紀 25年間で活動を終了することを考えていましたが、後に続いてくださる方々も少なく、もう少し歌っていたいという2人の思いも強く、26年目からこの30年目まで、おじいさまとお孫さん、家族全員で聞いていただけるコンサートにしました。途中赤ちゃんが泣いても、ステージから「あら~もうおねむかなぁ?」と、泣いたりぐずったりした時は「元気な証だから大丈夫よ~」と声をかけ、回りのお客さまにも安心して聞いていただくようになりました。 安田 2人の日本の歌を歌う思いは、変わることがありません。テレビの時代(コンピュータ、スマホの時代を含め)になった今、歌から想像することが難しくなっていますので、ゆったりとした余白の多い先人の残してくれた歌を常に大事に歌い、伝えたいと思っています。 阿岸 さおりさんと祥子さんのコンサートは今年で30年目。この長い間歌い続けてこられたお2人の原動力となっているものは何でしょうか?

元気で生き生きとした若さを保つ由紀さおり(左)と安田祥子

元気で生き生きとした若さを保つ由紀さおり(左)と安田祥子

由紀 やはり日本語の原型が壊れかかっているように感じることです。若い世代の独特のボキャブラリーやタメ口言葉、仲間同士ならいいけれど、社会に出てもそれでは少し心配です。日本人としてのベーシックな言葉使いは残したいし、そしてそれにつながる歌の数々を残したいと考えたからです。 安田 どの分野も進化が求められていますが、失われていくものも多いと思っています。日本らしさ、日本の文化、歴史などは、外に出てみると「大事」ということを感じます。次の世代にどう伝えていくか常に考えていることでしょうか。 阿岸 ピンク・マルティーニとの「1969」が空前の大ヒットをし、アメリカをはじめ世界でのコンサートがしばらく続きました。LAのハリウッドボウルにいらした時はたくさんの日本人も鑑賞し、たいへん素晴らしいコンサートでした。これからもピンク・マルティーニとの共演は続けられますでしょうか? またアメリカに来られる企画などございますでしょうか? 由紀 はい。リーダーのトーマスさんからお声がかかれば、またご一緒することがあるかもしれません。ロンドン、パリ、バーレーンなどを、彼らの夢の実現に同行させていただいたように思います。ハリウッドボウルは終演後、彼らが次の目標は何だろう? なくなっちゃったね。ここで歌えたんだもの。という言葉が印象的でした。 阿岸 お2人とも本当におきれいで、元気で生き生きとした若さにはどのような秘訣がおありでしょうか? 日頃行われていることがあれば教えてください。 由紀 やはり歌うための準備をきちんと整えることが自分たちの健康管理につながっています。人前に出る仕事ですので、努力で叶うものはクリアしていきたいです。 安田 互いにメンテナンスには気を使っています。「風邪を引かない、食べ過ぎない、転ばない」が家訓。母からよく言われていました。 阿岸 今回LAの西大和学園の子供たちが一緒に2曲(「花は咲く」と「幸せなら手をたたこう」)歌うのを楽しみにしております。子供たちにも何か本番に向けてのメッセージをお願いします。

ゲスト出演し、ハリウッドボウルで歌った由紀さおり

ゲスト出演し、ハリウッドボウルで歌った由紀さおり

由紀 はい。とっても楽しみです。みんなと一緒に歌うことは、私たちの元気の素です。一緒に日本語の歌を歌うことが、子どもたちの人生の思い出の一頁になってほしいです。 安田 元気に(当日の体調に気を付けて)笑顔で楽しく歌いましょう。会場の皆さまに届けるように大きな声で! 阿岸 さおりさんと祥子さんは、普段お仕事以外の時はどのようにお過ごしになられていますか? 趣味や今凝っていることなどありましたら教えてください。 由紀 まさにお休みの時は、喉や体のメンテナンスに費やしています。私の気分を変えるのは、ショッピングが一番。LAでも行きたい場所があり、お買い物をしたいと思います。 安田 母がよく言っていた「風邪ひかない、食べ過ぎない、転ばない」を実践するために適度に運動もしています。 阿岸 最後に歌を通じて伝えていきたいことや、夢をお聞かせ下さい。 由紀 2人で歌い続けて今30年。これから先どのように続けていくことができるかは、神のみぞ知ることですが、叶えられるものなら続けて行きたいです。無理なく、楽しんで歌うことを第一に考えています。そして、先人の残した芸術的な財産としての日本語の歌を次へ伝え、引き継いでもらえるようにしていきたいです。 安田 海外で暮らしていらっしゃる方々が、日本のことを大事に次世代の若者に伝えていこうとしていらっしゃる。対話が少なくなり、下手になってきてしまっている今こそ、美しい言葉、優しい思いやりが込められている歌を心を込めて歌いたい。心も体も健康で歌い続けられたら幸いです。  29日(土)のコンサートのチケットは、125ドル、100ドル、75ドル、55ドル、35ドル。  28日(金)午後5時からのオムニ・ロサンゼルス・ホテルでの由紀さおり、安田祥子 をゲストに迎えてのベネフィット・ディナーとオークションは100ドル。  詳細は電話323・882・6545。  ウエブサイト— www.jlsf-aurora.org

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