祝賀晩餐会に600人参加:3個人と3団体を表彰
アワードを授与された
閉会後、記念撮影に納まる越和夫氏(写真右)ら
小東京にある日米文化会館(JACCC)がこのほど、ロングビーチのハイアット・リージェンシー・ホテルで第39回祝賀晩餐会を開催した。日本食の普及にちなみ、テーマは「Kanpai! A Toastto Culinary Arts」とした。この日はコミュニティーに貢献した個人と団体へ贈る賞の授与も行われた。
晩餐会開始前の午後4時半からは、同じ敷地の別会場でサイレントオークションがスタート。スポンサーやボードメンバー、支援者などから集められた寄付の品は、海外や国内旅行のツアー企画をはじめ酒やワイン、工芸品、美容・健康関連、ゲーム機器、スポーツ観戦券、デザイナー特注のドレスなど、数も種類も豊富に用意された。来場者らは興味の湧く品を前に歓談したり、じっくり見入るなどした。
コミュニティー・スピリット・アワードを受賞したキリヤマとパートナーのジョイス・フジマキ
KTLA5モーニングニュースアンカーのフランク・バックリー氏の司会で晩餐会が始まり、クレイグ・トミヨシ氏が開会のあいさつをした。
まず、本年度の会長賞の授与が行われた。日系社会に多大な貢献を継続するトシゾウ・ワタナベ基金とテラサキ・ファミリー基金、日米のビジネスの懸け橋であり続ける三菱UFJ銀行(MUFGバンク)の3団体に授与された。
コミュニティー・スピリット・アワードは、芸術、社会運動、社会貢献、ビジネスなどを通じ輝かしい功績を残した人を一般からの推薦で選出するもの。トレイシー・カトウ・キリヤマ、ドロシー・マツオカ、ロナルド・N・オオハタの3氏が第8回の同賞を受賞した。
アーティストとして受賞歴のあるキリヤマ氏は、コミュニティー・オーガナイザーや芸術分野のプロデューサーとしても活動している。PULLプロジェクト・アンサンブルでは脚本家として中心的役割を担い、最新作の「Tales of Clamor」ではJACCCとのコラボレーションを実現している。全米日系人博物館、リトル東京サービスセンター、日系プログレッシブのスタッフを経て、アートでコミュニティーをつなぐ「Tuesday Night Project」「Tuesday Night Cafe」の仕掛け人としてイベント企画を継続中。地域の大学やイベントでの講演にも力を入れる。過去20年間ツアーで回った全米の芸術関連施設は、ゲッティー基金、スカーボール文化センター、フォード・アンフィシアター、スミソニアンほか、多数。
加州中部出身のドロシー・マツオカ氏は、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校でフィジカルセラピーの学位を取得。結婚後生まれた3人の息子に地域社会との結びつきを積極的に持たせようと、アナハイムのオレンジ郡仏教会(OCBC)に所属。コミュニティーでのさまざまな経験を経て日曜学校の教師となり、25年以上ダルマスクールで指導を続ける。高齢者との交流を楽しむマツオカ氏は、「Kokoro」プロジェクトに参加。以降、クラフト教室を立ち上げ高齢者に趣味の場を提供するとともに、作品制作とそれらの販売によるOCBCの資金集めを継続している。日系米人コミュニティーのパートナーとして「Keiro」の教育プログラムをOCBCへ紹介するなど、マツオカ氏は、オレンジ郡日系社会を代表する役割を担う。
友人に囲まれ記念撮影に納まるドロシー・マツオカ氏
ロナルド・ノボル・オオハタ氏は、UCLAとUCハスティングス法律学校を卒業後、LA郡の弁護士として登録。その後、司法省刑事部門弁護士や個人弁護士、連邦移民裁判官などを歴任。思いやりと公平性をもって社会奉仕に取り組み、専門の知識を生かしたボランティア活動や移民弁護士の指導も行った。日系米人弁護士会では理事や会長として活躍。アメリカの弁護士会の少数民族弁護士協会やアジア人弁護士会にも従事した。二世週祭委員会の法律分野や日米学生会議、UCLAアジア人サポートグループ、JACCC、JANM、日米評議会、ウィメンズ・アイ、キズナなど諸団体の初期サポーターも務めた。
またオオハタ氏は、高齢者の住居施設寺町の創設にも積極的に関わり、小東京の経済発展と住居問題に貢献。周辺のアート地区やダウンタウンの歴史地区と小東京の懸け橋に。日系仏教諸団体でも奉仕活動に尽力した。
コーラスグループ「ザ・グレイトフル・クレイン・アンサンブル」のハルエ・イオカ、ケイコ・カワシマ、ダレル・クニトミ、カート・クニヨシが3人をそれぞれ替え歌で紹介し、盛り上げた。
舞台には草月流いけばな北島蓉幸さんのグループにより幅20フィート、奥行き5フィートの ステージアレンジメントが設置された。ヒマワリ、アスパラガス、スターチス、日本竹、モンステラがステージを華麗に演出した。
日本舞踊の坂東秀十美師らが披露した繊細かつ豪華に引き立つパフォーマンスには、会場から盛大な拍手が送られた。
三菱UFJ銀行の越和夫常務執行役員は「食をテーマとしたすばらしいイベントだった。日本食以外にも日本の文化はアメリカ社会に広く共有されている。その伝承を日系米人が担っていることにたいへん感銘を受けた。彼らが将来進化していくところ、そこに(三菱UFJ銀行も)共にありたいと思っている」と志を述べた。【麻生美重、写真も】
コミュニティー・スピリット・アワード賞受賞の3人を代表しスピーチするキリヤマ氏
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