秋こそ感染症に注意
9月にはいった。比較的しのぎやすいとされる当地ロサンゼルスだが、この夏は異常なほど暑く感じた。近年、このように暑い夏を感じるのは私自身の年齢と体調によるところもあるかもしれないが、最近の酷暑や異常気象は私自身の体調だけの問題ではなく、地球規模の課題のようだ。 暦の上ではすでに秋となっているロサンゼルス周辺は先週くらいまで日中の気温がセ氏30度を超えた日も多く、厳しい残暑の日々だった。これまで冷房施設なしで凌いできたわが家の夏だったが、年々耐えられない状況だ。どんなに暑い夏の日中でも窓から外気を取り入れればじゅうぶん凌げていたはずが、このところ湿度までが体感温度に逆らってくれるようだ。一日も早くこの酷暑から解放され、秋の清々しさを実感したい。 秋といえば、旅行、運動、読書、食欲など、前向きな行動の響きが連想されるが、このところ、ニュース報道ではエボラ出血熱やデング熱、インフルエンザ、西ナイル熱など感染症の世界的蔓延のおそれが報じられている。暑い夏が過ぎれば終息するかというと、これから涼しくなってもまだ猛威をふるうおそれがあるので油断は禁物なのだそうだ。 世界各地に発生し、蔓延しつつある各種感染症に対し、オバマ大統領はまず西アフリカで拡大するエボラ出血熱の封じ込めに向け、真剣に取り組む方針を明らかにしている。 私は6年前、日本へ行った際、新型インフルエンザの世界的大流行時であったため、成田空港で機内検疫を受けたり、日本滞在中はホテルまで追跡調査された経験があった。これらの感染症の菌やウイルスを媒介するとされる蚊やダニは涼しい季節になっても活発に活動するのだそうで、交通手段が進み、交流の機会が多い今では感染は容易であり、決して楽観は許されない状況だ。 この季節は日常から適切な栄養と休養を心掛け、免疫力の強化をはかり、同時に「旅行、運動、読書、食欲の秋」だけでなく、日常的に「マスク、手洗い、うがいの秋」という項目も加え、私たち一人ひとりが衛生管理にじゅうぶん留意しなければならないようだ。【河合将介】
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