秋の叙勲伝達式:猪瀬加代子氏に旭日単光章
千葉明総領事(右)から勲章と賞状を伝達された猪瀬氏
平成28年度秋の叙勲受章者の一人で在ロサンゼルス総領事館管轄区域在住者の猪瀬加代子氏に対する叙勲伝達式が1日、ハンコックパーク地区にある在ロサンゼルス日本総領事公邸で行われた。家族や友人などおよそ50人が出席する中、千葉明・在ロサンゼルス日本総領事から旭日単光章と表彰状が手渡された。【吉田純子、写真も】
伝達式でスピーチする猪瀬氏
日系3世の猪瀬氏は、長きにわたり日系諸団体の活動にボランティアとして積極的に参加し、日系コミュニティーの活動に貢献。日米の友好親善と、米国社会における日系人の地位向上に尽力してきた。
1980年代から南加日系婦人会の会員として活動に参加。2005年には会長に就任し、さまざまな募金活動に尽力。集まった資金は、日系諸団体への助成金や、若い世代への奨学金として寄付され、日系社会の活性化に貢献した。
1986年からは、全米日系人博物館創設の活動に参加し、87年から97年までの10年間にわたり評議員会副議長を務め、博物館設立のための募金活動などを精力的に行った。
また表千家同門会米国南加支部の活動では2002年から05年まで事務長、12年からは副支部長を歴任。現在は自宅に茶室を構え、指導にあたっているほか、ボランティアで小学生、中学生、高校生が通う日本語学校などで茶道の実演を行い、次世代の日系人に茶道体験の場を提供するなど、日本文化の普及に尽力している。
09年には日系市民協会のウーマン・オブ・ザ・イヤー、15年の二世週祭ではパイオニア賞を受賞。11年からは日米婦人会の理事も務め、日系コミュニティーの活動に携わっている。
祝辞を述べるリチャード・サカイ氏
伝達式で猪瀬氏は、過去30年にわたりコミュニティーの活動に携わってきたことを振り返り、「コミュニティー活動を通して自分自身も学び、たくさんの人々と交流することができました。こうした経験なくして、今この場に立つことはなかったでしょう」と話し、日系コミュニティーに対して感謝の言葉を述べた。
サンフランシスコ大学法学部助教授のリチャード・サカイ氏は「加代子はこれまで、日系コミュニティーの活動に積極的に携わってきた。こうした活動からさまざまなことを学んできたと同時に、彼女は多くの人に茶道など日本文化についても教えてきた」と話し、これまでの同氏の活動をたたえた。
親族や友人など伝達式の出席者と記念撮影に納まる猪瀬氏(前列左から5人目)
Comments