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米国書道研究会:書展入選入賞の贈賞式

後列が、表彰を受けた各書展の主な入選者と入賞者。前列は生田博子会長(右から2人目)と顧問たち

後列が、表彰を受けた各書展の主な入選者と入賞者。前列は生田博子会長(右から2人目)と顧問たち

 10月に創立50周年を祝って記念晩餐会と日米合同書展を開催した米国書道研究会(生田博子会長)は11月15日、今年の産経国際書展、誠心社展、墨成新春展、書初め展のそれぞれの入選入賞に対する贈賞式をトーレンス市のミヤコ・ハイブリッドホテルで執り行った。

 式次第は河上紋子さんの司会で進められ、中村達司理事長と竹花晴夫50周年記念実行委員長が諸行事の無事終了を報告し、記念誌の刊行などについて説明するとともに、会員らの多大な協力に感謝の意を表した。  生田会長は「日米書道界の懸け橋として活動してきて、50周年を無事に迎えることができた達成感を味わえたことは、とても幸せなことと思います。これからも、この感動を忘れずに、会員一体となって精進していってほしいし、若い会員も増えてきたこともあり、ますます研究会を盛り上げていってほしい」と述べて、50周年という一つの節目を越えて次のステップへ向けた指針を示した。  賞状授与に先立ち、第32回産経国際書展の現代書部門審査員として参加した加柴律子さんが審査の概要について次のように報告した。  今回は5649点の作品が寄せられ、このうち米国からは108点の応募があった。  16人の審査員が短時間のうちに次々と審査をしていく中で、作品の持つ品格や迫力の点で優れていることはもちろんだが、相対的にいうと字数が多くないほうがよいし、漠然としたことばよりも人の心を打つことば、多くの人が知っている有名なことばのほうが選ばれやすい傾向にあるという。  各書展の今年の受賞者のうち、特筆されるのは誠心社展で特別選考委員でもある生田会長が国井誠海生誕百年記念賞を特別受賞したことが挙げられる。さらに同展では清水充さんが誠心大賞の栄誉を獲得し、山本完冶さんに会友賞、河上紋子さんに奨励賞が贈られた。  墨成書初め展ではラモス逸子さんが墨成準大賞を獲得、役員・師範クラスを対象とした奨励賞に平岡智子さんと安藤法子さん、高段者が対象の墨成賞では桜井知子さんと生田京子さんの作品が選ばれたほか、特選には須藤恵美子さん、北直子さん、佐藤ゆきさん、曽我部鯉生さん、櫛橋良子さん、松本千代美さんの作品が入選した。  産経国際書展では、会友賞に塚原和子さん、山本完冶さん、桜井知子さん、レルネック伸子さん、佐藤ゆきさん、フジテレビジョン賞に稲葉淳子さん、特選に白神英憲さん、北野寛子さん、須藤恵美子さん、ロビンソン万里さん、小藪まゆみさん、竹花晴夫さん、松本千代美さん、上井貴代子さんが選ばれ、生田会長から賞状および記念品がそれぞれに贈られた。  受賞者を代表してラモス逸子さん、塚原和子さん、稲葉淳子さん、清水充さんが謝辞と書作品に対する感想を述べた。  「慟哭の声 天にある櫻かな」の作品を仕上げたラモスさんは、「この詩は、東北大震災の本の中にある角川春樹の作なのですが、書初めの文字としては似つかわしくなく、詩の持つ雰囲気を出すのにとても苦心しました。初めは濃墨で書いていたのですが、出品間近に淡墨に変えてみました。生田先生が常々おっしゃっている字句の選定の大切さが、身にしみて理解できた作品です」と、制作過程を振り返った。  続いて三宅明己最高顧問の祝辞、松岡八十次副理事長の謝辞があり、生徒一同から感謝のお祝儀と紫色の見事な胡蝶蘭を贈られた生田会長は「これからは、もっと優しく教えなくては…」と、ジョークを交えてお礼のことばを述べ、皆は一緒に楽しくビンゴゲームに興じた。【石原 嵩、写真も】

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