脅威のDM
最近急に増えたダイレクトメール(DM)に悩まされている。 DMなどそのままゴミ箱へ、という人もいるが、自分宛に来たメールを中身を見もしないで捨てるなど出来ないたちである。捨てたゴミから情報が漏れたという恐い話も耳にするから、完全にシュレッダーすることを心掛けている。 この国でのDMの大部分は寄付の依頼のようだ。宛名ラベルや名前入りのメモなどを送ってくる。気に入ったものは実際に使用するから寄付しやすい。カレンダーも重宝している。悩むのは、文書だけでの依頼である。英語だから(もち論)その主旨に賛同するかどうかの意思決定(?)に辞書を片手に時間のかかること。多い日には10通も来るから、1週間もため込むと、結構、苦痛になる。懐具合と相談しながら、厳選してやっとgiftの小切手を送ったとする。折り返し、「Thank You」の手紙とともに次の寄付を催促されるのには、恐れ入る。数えてみたらこの一カ月に55団体からのDMを受け取っていた。そして、ふと思う。それらは本当に、各々の目的に使われているのだろうか。 そんな懐疑的な気持ちになっていたところへ、とんでもないメールが飛び込んできた。強烈なだいだい色のラベルに「Warning」の大きな文字が目を引く。A4のセロハンの封筒だ。中は見えないようになっている。「US Code Title 18, Sec 1701」の添え書きも…。これを開封するのは本人のみ、さもなければ刑罰に処せられると。これは? ドキッとしながら封を切る。 3ページにわたる手紙の概要は、「メールの受け取り回数を減らし、切手代や紙の消費、郵送の手間を省くため、今後の寄付はあなたのチェッキング口座からの引き落としにさせてくれませんか?」という依頼。これは「給与振込や税金還付の振込と同じシステム」だと説明しているが、ちょっと待てヨ、それは違うだろ? 揚げ句「①毎月チェッキング口座から引き落とすことを了解する、②今回のみチェックを送るので、これっきりにしてくれ」のどちらかを選び、(添付してある)切手を貼って返送するよう要求している。何と虫のいいこと? こんなメールがその後2件、別の団体からも届いた。 これって新手の詐欺になり得るのでは? お気をつけください。【中島千絵】
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