芝生枯れても罰金なし :干ばつ問題受け加州知事
ウエストロサンゼルスにあるモルモン教神殿の芝生も干ばつによる水不足の影響で、緑色から茶色に変色している
カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は13日、4年目を迎えた加州の記録的な干ばつ問題を受け、庭などの芝生を枯らしても、住民に対し罰金を科すことを禁じる法案に署名した。
芝生の管理に関しては各自治体で景観維持のための規約が設けられ、住民は芝生を枯らすと罰金が科せられるところもあった。しかし、干ばつによる水不足問題が深刻化する中、加州では水の使用量が制限され、芝生への水まきも使用時間や頻度が制限されるなど、節水対策が行われてきた。その結果、十分に水分が行き渡らず、多くの芝生が枯れ、緑色から茶色に変色する事態に陥っていた。 そんな中、芝生の散水制限に従い芝生が枯れたにも関わらず、管理が行き届いていないとして500ドルの罰金が科せられる住民が加州各地で続出。事態を受け、加州下院議員のチェリル・ブラウン氏(民主・リアルト選出)は、水不足問題が解決するまで、芝生が茶色に変色し枯れてしまっても、住民に罰金を科すことを禁じる法案を提出。ブラウン知事が署名した。 ブラウン知事は昨年にも、芝生を枯らしても住民に罰金を科さないことを明記した法案に署名していたが、依然各地で住民に罰金が科せられる事態が発生していた。 記録的な干ばつに直面している加州では昨年1月、ブラウン知事が非常事態宣言を発令。今年4月には州全域で25%の節水を義務付ける行政命令を出し、住民1人当たりの水使用量をもとに、各自治体に目標となる節水計画を発表した。 ロサンゼルス市では、20%の節水目標が設定されたほか、水の使用量を減らすため、芝生を撤去し人工芝への植え替えを行った各家庭に対し1平方フィートあたり3・75ドルを支給する奨励金制度も導入。高級住宅地として知られるビバリーヒルズ市では、36%の節水計画が実施されている。 加州公園レクリエーション局は15日から、同州に38カ所ある州立海浜公園で屋外に設置されているシャワーの使用を禁止。同州の刑務所でも、囚人が屋外のシャワーを使用することが禁止された。 1日に多くの人が利用する空港も例外ではなく、ロサンゼルス国際空港(LAX)をはじめ、オレンジ郡にあるジョン・ウェイン空港、加州中部フレズノ市にあるフレズノ・ヨセミテ国際空港などの洗面所でも、低水流量の洗面所備品が導入されている。 ウエストロサンゼルスのサンタモニカ・ブルバード沿いにあるモルモン教神殿の広大な芝生の庭も今年に入り大部分が茶色に変色。水不足問題の深刻さが伺える。
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