若手の木村新会長が就任:ねぶた祭の発展へ意欲
新年会で親睦を深めた青森県人会とLAねぶた囃子保存会の両メンバー
昨年、二世週祭とハリウッドでの両パレードに参加し、ねぶた祭の成功に寄与し充実した1年を送った南加青森県人会は、LAねぶた囃子保存会と合同で新年総会と親睦会を16日、小東京の青森県人会館で開いた。参加者約40人が、木村昭新会長の門出を祝うとともに、ねぶた祭のさらなる発展に意欲を示した。
ねぶた祭への貢献で表彰を受ける三木幸平さん
弘前市出身の木村新会長は、41歳の若手。誠実で責任感が強く、次世代の担い手として大きな期待が寄せられている。この日はあいにく出張と重なり欠席したため、奈良佳緒里前会長が代理で新年のあいさつを行った。 退任のあいさつを兼ね、前会長は8年間を振り返り、奔走した青森との関係づくりについて「大きな山を2つ、3つ越えた感じ」と表現し、達成感に浸った。新会長については「きっぷがよく、最近の若者では珍しく頼りがいがある。安心して任せられる」と評し「みんなで木村会長を支えてほしい」と願った。 昨年のねぶたの活動報告を、LAねぶた囃子保存会会長で県人会顧問の豊島年昭さんが行い「みなさんの努力と協力があったからこそ無事に終えることができた」と謝意を表した。今年の両パレードへの参加の意向を伝え、さらなる協力を求めた。席上、ねぶた祭に貢献する前会長の奈良さん(祭の運営で青森との関係構築)、山村俊夫さん(電装と子どもねぶた制作)、三木幸平さん(サイン提供とフロートの組み立て)、
熱が入った囃子の演奏
田島伸敏さん(フロート運行の指示など)、豊田房子さん(囃子を指揮)の5人を特別表彰した。
新会員3人が自己紹介し、大きな拍手で歓迎を受けた。3人は、いずれも青森出身で、ねぶたの当地での盛り上がりに血が騒いだようだ。コビナ在住で三沢市出身の国行由美子さんは帰郷した時に、ねぶた祭を見物し息子のティモシー・真大さんが、山車やハネトよりも「囃子の笛の音色に魅かれた」といい「息子と笛を習って一緒にパレードに出たい」と話した。八戸で生まれ青森で育った市澤瑶子さんは、ねぶた祭は毎年見るだけだった。だが今は笛の演奏に興味を持ち、囃子会に入会しパームデールから2時間運転して練習に来るといい「これから頑張って吹けるようになりたい」と述べた。ロングビーチに住む民子(もとこ)キャロウェイさんは弘前市出身で、ねぷた祭で笛を吹いていたという。郷里の伝統文化継承に意欲的で「次の世代として囃子に参加し、また私の次の世代に伝えるためにがんばりたい」と語った。
アトキンズ直樹さん(中央手前)の津軽三味線の演奏
余興では、津軽三味線奏者のアトキンズ直樹さんが、じょんがら節など青森の民謡に加え、スターウォーズやロッキー、インディアナ・ジョーンズなど映画のテーマ曲を披露。「待ってました」の、ねぶた囃子の演奏は、太鼓と笛、鉦が息を合わせ、昨年のパレードの熱狂を再現。アンコールにも応え、クライマックスを迎えた。最後は、恒例の三本締めで会を閉めた。
木村会長は、会の若返りのために、背中を押され会長を引き受け「お世話になった青森県人会と先輩会員への恩返しのつもりで頑張りたい」といい、活動については「青森の文化を広めるために、ねぶたに力を注ぎたい」と抱負を述べた。3人の入会を喜び「家族揃ってイベントに参加できるような楽しい会を目指したい」と意欲を示した。【永田潤、写真も】
自己紹介をする新人3人。左から国行由美子さん、市澤瑶子さん、民子キャロウェイさん
ねぶた囃子の笛は、息の合った演奏を披露した。中央が表彰された豊田房子さん
新年会恒例の三本締め
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