英俳優、ハリウッド大作降板:原作はアジア系、 白人の配役に批判の声
英俳優のエド・スクレイン氏
英俳優のエド・スクレイン氏(34)は28日、リメイク版の映画「ヘルボーイ」の最新作への出演を辞退すると発表した。スクレイン氏の役は原作コミックではアジア系で、白人が演じることに対してかねてから批判の声が上がっていた。【吉田純子】
スクレイン氏がツイッターに投稿した声明。「この役を文化的に正確に表現することが人々にとって重要なのは明らか。その責任を無視することは芸術において、人種的少数派の人々の物語と声を覆い隠す傾向を助長することになりかねない」と述べている
スクレイン氏が演じる予定だったベン・デミオ少佐の役は原作ではアジア系あるいはアジア系米国人として描かれている。 スクレイン氏は同日、ツイッターに声明を発表。出演が決まった当初、デミオ少佐が原作ではアジア系であるとは知らなかったとした上で、自分が配役されたことに対して批判がでたことは理解できると投稿。「この役を文化的に正確に表現することが人々にとって重要なのは明らか。その責任を無視することは芸術において、人種的少数派の人々の物語と声を覆い隠す傾向を助長することになりかねない」とし、「人種的多様性の表現は重要。このような難しい時期でも道徳的決断を下すことがわれわれの責任である」との声明を投稿した。 ニューヨーク・タイムズによると、白人以外の役を白人が演じることへの問題意識から、俳優がハリウッド大作から降板することは近年では初めてのことだという。 同作のプロデューサー、ラリー・ゴードン、ロイド・レビン両氏と、映画会社ミレニアム・フィルムズとライオンズゲート両社は同日、スクレイン氏の決断を支持するとし、「原作の登場人物に沿った俳優を、あらためてキャスティングしたい」との声明を発表した。 ハリウッドではコミックなどのリメイク版映画で、原作の登場人物の人種とは異なる人種の俳優が配役されることがあり、物議を醸している。 白人以外の役を白人が演じることは「ホワイトウォッシング」と呼ばれ、最近では日本の漫画「攻殻機動隊」を映画化した「ゴースト・イン・ザ・シェル」で、原作では主人公がアジア系であるのに、映画では白人の女優スカーレット・ヨハンソンが配役されたことに論争が巻き起こった。
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