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Writer's pictureRafu Shimpo

表千家同門会:「秋の親睦茶会」開催

濃茶席の1席目の茶会風景。亭主を奥田美恵子が務めた。正客は田中宗優

 表千家同門会米国南加支部(宮崎マック支部長)は10月22日、トーレンス市のミヤコ・ハイブリッドホテルで秋の親睦茶会を開催した。支部会員や日系コミュニティーの代表者、また南加地区で活動する他流派のメンバーらも出席し、秋を感じさせる華やかな茶会となった。【吉田純子、写真も】

濃茶席で使用された茶器について説明するシュレッセルマン・宗和(中央)

 茶席には和装姿の人々の姿も多く見られ、華やかさの中に日本の秋を感じさせる1日となった。本席の濃茶席と立礼席の薄茶席が午前の部、午後の部にそれぞれ1席ずつ設けられ、参加者は至福の一服を味わった。  濃茶席はウエストLAの教室で指導にあっているシュレッセルマン・宗和と藤原宗奉が務め、薄茶席はガーデナで指導にあたっている同門会創立以来のメンバーである生田宗博社中が担当した。  濃茶席には尋牛斎筆「吟風一様松」の掛け軸、古備前の花入には季のものが飾られ秋を演出。香合は、粒菊蒔絵白粉解香合、十代吸江斎在判、十四代而妙斎箱書、水指は碧山作の高取焼、茶器は漆園作の菊蒔絵大棗、茶入れは十二代八山造の高取焼、茶碗は大樋九代長左衛門造の大樋焼の銘「羽衣」、替には坂倉新兵衛造・而妙斎箱書の萩焼の銘「和風千里渡」と、加藤作助作・セト唐津の銘「皮鯨」が用いられた。  「濃茶席」の1席目と3席目の亭主は奥田美恵子、半東はカワスジー輝子。2席目の亭主は近藤京子、半東は山下久美子が務めた。  茶道具が好きで、茶碗を作っている人の姿をみて茶道を始めたというシュレッセルマン・宗和はウエストLAで教室を始めて40年になる。今回は秋らしく菊の模様の茶器を使用。掛け軸、花、道具ひとつひとつにも秋を意識したという。「流派は違っても茶道を愛する者同士がおつきあいができる。それが茶の魅力。茶を愛し尊敬できる人たちが集う場所になってくれたら嬉しい」と話した。

立礼席で行われた薄茶席の1席目。掛け軸は而妙斎筆の「時雨洗紅葉」がかけられた

 立礼席で行われた薄茶席では、掛物は而妙斎筆の「時雨洗紅葉」。紅葉したもみじやかえでを時雨が洗い、夏が終わり秋が来てホッとしているところを表現しているという。  井上東也作の唐津の花入にはツルウメモドキ、秋明菊などの季節の花が生けられた。釜は浄清作の富士釜・浜松絵、水指は十五代新兵衛造・萩焼の銘「あけぼの」、茶器は香雲作の龍谷焼の金彩竹林絵、茶碗は九代大樋焼の即中斎箱の銘「瑞雲」、替は徳泉作で而妙斎箱の銘「松茶碗」が用いられた。  薄茶席の亭主と半東は、1席目の亭主は須藤恵美子、半東は柴内恵子、2席目の亭主は柴内恵子、半東は桝林潤子、3席目の亭主は後藤優希、半東は生田京子が務めた。  薄茶席を担当した生田宗博はしつらえる道具によって秋の訪れを演出できると説く。「山路や紅葉の美しさ、自然の風情を掛軸や花、茶道具、お点前を通して表現できたらと思っている。それが日本ならではの奥ゆかしさでもあると思います」と話した。  午前と午後の部の間には点心席が設けられ、参加者は昼食をとりながら親睦を深めた。

薄茶席で客に使用した茶器について説明する生田宗博(右)


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