被災地支援に協力を
「またか」と、思わず口に出る。どうして、われらの母国は、次から次へと、地震や台風、洪水など、自然災害が各地で起こるのだろうか。阪神大震災、新潟中越地震、東日本大震災、そして熊本地震は昨年のこと。被災地の中には、復興を遂げる最中なのに、「一難去ってまた一難」の嫌なことわざが、当てはまってしまう。 このたびは、九州2県が記録的な豪雨に見舞われ、甚大な被害が出ている。被災状況を写真と動画で見ると、胸が痛む。川が氾濫し、町や村を濁流が襲い、車や民家を押し流し、線路はくねりと曲がり、鉄橋は無残にも流されている。一面が冠水し道路は見えず、茶色に染まり、山からの土砂、流木などのがれきが散乱、復旧には日数がかかるだろう。 自衛隊や警察、消防による、行方不明者の捜索、救助・救命活動が懸命に続けられている。年寄りを負ぶい、子どもをゴムボートに乗せ、負傷者をヘリで搬送。だが亡くなった方もいてまた、消防士も殉職したらしく痛ましい。 「あっという間」に水が押し寄せ、避難する間がなかったという。電話が不通となったため、孤立した人はツイッターやフェイスブックを利用し、仲間を経由して救助を求めたり、安否の問いかけに答えたりし、ソーシャルメディアの重要性を思い知らされた。 飲料をはじめ、調理、入浴、洗濯、農工業など、日常生活や生産活動に欠かすことができない大切な水。その一方で、大津波で一度に1万人を超える命を奪ってしまう恐ろしさを忘れてはならない。 平穏な暮らしで、忘れがちな防災。日本と世界各地で天災があるたびに、つくづくそう思う。自然現象に逆らえないかもしれないが、被災してから「予期せぬ」や「想定外」と釈明しても遅い。 ロサンゼルス地域には、非営利の日系諸団体が活動している。会員間の親睦や日米交流、地域社会の発展など、それぞれ目的が異なるものの災害などで、いざ日本が困った時には助けてくれる。会員が街頭で寄付を募ったり、被災地救済のさまざまなチャリティーイベントを開く。みなさんの協力をお願いします。【永田 潤】
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