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Writer's pictureRafu Shimpo

西羅府近郊詩吟同好会: 流派を超え親睦深める

 「富士山」を力強く吟じる大会参加者

「富士山」を力強く吟じる大会参加者

 西羅府近郊詩吟同好会は20日、ウエストロサンゼルスにある西羅府仏教会ホールで第51回吟詠大会を開催した。来賓として他地域で活動する師範も出席する中、21人の吟士が吟詠を披露。流派を越えて、吟道に精進することを誓い合った。

 吟士の数の減少を心配する大東國岬師範

吟士の数の減少を心配する大東國岬師範

 同会はウエストLA近郊で活動する異なる流派の吟士たちが集い、ともに成長し、詩吟を通して親睦を深めることを目的に発足した。吟詠大会は昨年50回目の節目を迎え盛大に祝した。  現在は国誠会、錦友会、錦龍会の3流派の吟士たちが参加している。発足当時はおよそ100人以上の吟士が集い吟詠を披露していたというが、時代の流れとともに人数が減少。20年程前から現在の規模になったという。  大会は重川昭水師範(錦友会)の先導による「富士山」の合吟で幕を開けた。下前國信師範(国誠会)は「声の続く限り吟詠を続けていきましょう」と吟士たちに呼び掛け、結束を高めた。  21人の吟士たちは、自ら選んだ詩を、力いっぱい思いを込めて吟じ、吟友たちは静かに耳を傾けていた。  発足当時から同会の移り変わりを見てきた大東国岬師範(国誠会)によると、吟士の数の減少は米国だけでなく、日本でも起きている現象だという。詩吟を通して日本語の美しさや歴史を学べるが、今は学ぼうとする生徒数が減少。

吟詠大会で司会を務め、流派を超えて集まった吟士たちを労う中尾國江師範

吟詠大会で司会を務め、流派を超えて集まった吟士たちを労う中尾國江師範

 日系コミュニティーでも3世、4世の世代になると日本語を話さない日系人が多くなることも原因のひとつだと話す。この現状が続くことで、日本語の表現の美しさが継承されなくなってしまうことを危惧する。  一方で、日本人との結婚を機に詩吟を学び始める白人の生徒の姿も見られるという。91歳を迎えてもなお吟道に精進する大東師範は、「今後は若い世代にも詩吟に興味をもってもらえるよう工夫していかなければならない」と抱負を述べた。【吉田純子、写真も】

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