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Writer's pictureRafu Shimpo

見たい監督の「胴上げ」

 ワールドシリーズ(WS)に、われらドジャースが29年ぶりに進み、ファンの夢を乗せ、悲願の優勝を目指し目下、熱戦を繰り広げている。前日練習、そして開幕から2試合を見に行った。取材で何度も足を運ぶドジャー球場だが、やはり頂点を決めるシリーズは、何とも言えない独特の雰囲気が漂う。  試合前のセレモニーに、往年の名選手が顔をそろえた。6度WSを制覇したドジャースは伝説の大投手やかつての名物監督らが一堂に会し、後輩選手を激励。ブルックリン時代に初優勝した1955年のWS開幕戦で投げた91歳の元投手も元気な姿を見せてくれた。テレビの解説では、WSでMVPに輝き野球殿堂入り確実の大スターらが名調子で中継を盛り上げている。WSのすごさを感じた。  張りつめた空気の中の試合の展開は、長丁場のレギュラーシーズンと打って変わり、たった一球の失投、ここぞという時の一発、一打で、 流れがゴロッと変わり、痛恨のミスが命取りとなる。短期決戦の恐ろしさをあらためて思い知らされる。  開幕戦にエースを立てて、無難にものにしたドジャース。だが2戦目は、勝ちムードから一転、終盤追いつかれ、延長戦のシーソーゲームで競り負けた。今季、30球団最多の104勝を挙げたドジャースに次ぎ、相手のアストロズは101勝を収めた。覚悟していたが、やはり手強く、すんなりとは勝たせてくれない。最終の7戦目までもつれ込む心積もりを、応援する側もしなければならないだろう。  前田は、先発から外れた悔しさをバネに、救援で快投を披露している。ポストシーズン6度の登板で6回3分の1を投げ2勝、被安打はわずか1本。防御率は0・00。大きな拍手を浴びながらベンチに戻る勇姿は、見ていて気持ちいい。   WSのマウンドで投げるために加入したダルビッシュは、敵地に乗り込み第3戦の先発を任された。シーズン終盤からの好調を維持し、ポストシーズンは2戦2勝(26日現在)。持ち前の粘投を見せてくれるだろう。  ドジャースの監督は、沖縄生まれのハーフ日本人。日本式の祝福の「胴上げ」を見たい。【永田 潤】

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