観衆6万人、華々しく開幕:日本選手団、胸を張って行進
胸を張って行進し、大きな声援に笑顔で手を振って応える日本選手団
知的障害を持つ人たちのためのスポーツの祭典、第14回「スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ロサンゼルス」が25日、開幕し各会場で競技が始まった。同夜ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで開かれたセレモニーでは、凝った演出のショーや花火が打ち上げられ、華々しく開幕した。「ニッポン—ジャパン」と紹介され108番目に入場した日本選手団(大和田誠団長)118人は、6万人を超す大観衆が見守る中、胸を張って行進し、大きな声援に手を振って笑顔で応えた。【永田潤、写真も】
大会の開会を宣言するミシェル・オバマ大統領夫人
ジェリー・ブラウン・カリフォルニア州知事とともに大会の共同委員長を務めるエリック・ガーセッティーLA市長があいさつに立ち、同市が誇る「多文化、多言語、多国籍」を紹介し「世界から集まったアスリートは、それを感じているだろう。われわれは、1つの家族だ。ようこそロサンゼルスへ」と歓迎した。 関係者がエールを贈る中、大会の宣誓「私を勝たせて下さい。勝てないまでも、戦う勇気を下さい」が読み上げられ、大きな拍手に参加者の士気は高まった。 大会名誉会長のミシェル・オバマ大統領夫人が、開会のあいさつに立ち「楽しさと勇気を持って、大会に臨むアスリートの決意を今夜知った」と、期待を込めた。「大会のテーマは、趣旨をまさに反映する『協調』だ」と力を込め、団結を呼びかけた。「2015スペシャルオリンピックスが始まります」と、力強く開会を宣言した。 華やかなショーが繰り広げられ、スティービー・ワンダーをはじめ有名アーティストがパフォーマンスを見せ、開幕に花を添えた。五輪メダリストである米国の英雄たちが登場し、オスカー・デ・ラ・ホヤがスピーチで選手を励まし、マイケル・フェルプスはミシェル・クワンとともに、掲揚する大会旗を届ける役目を果たした。 大会には世界165カ国から選手約6500人が参加し、8月2日までの9日間、UCLA、USC、グリフィスパーク、ロングビーチなど9会場で26競技を行う。日本からは、77選手が11競技に出場する。入場は無料。 詳細はウエブサイト― www.la2015.org/
大きな声援に感動
試合はベストを尽くす
日本選手
日本選手団の入場は、下村博文文科相、有森裕子理事長、キャロライン・ケネディ駐日大使らを先頭に、選手、コーチが続き堂々と行進した。選手は、観客の数の多さに驚きながら、感動を覚えた大きな声援を記憶にとどめ、大会に臨みベストを尽くす。
木村綾さん(バスケット) 緊張したけど、いろんな人が見て応援してくれたので、うれしかった。他の国行進は、踊ったり、跳ねたりして、日本は手を振るだけだったので、びっくりした。ライブショーは面白く、開幕式は他の国の人と交流ができたのが、よかった
早船曜子さん(バスケット) こんなに多くの観客が来ると思わなかったので、びっくりして圧倒された。最初は緊張してたけど、応援してもらえたので、とても楽しく、明日からの試合に向けて気持ちが上がってきた。
野村雄輝さん(バスケット) ちょっと緊張したけど、みんなに応援してもらって、うれしかった。アメリカのすばらしさを感じて最高の気分になった。足をくじいて、怪我しているけど、試合で頑張って勝ち進みたい。
小川友輔さん(卓球) すごい多くの人に出迎えてもらって気持ちよかった。「日本を応援してくれている」と思った。元気をもらったので、大会で頑張りたい。世界大会は2回目の出場で、前回の上海大会ではミックスダブルスで金メダルをとった。今回はシングルスでメダルをとりたい。できれば、金メダルがほしい。
角龍史さん(サッカー) こんなにたくさんの人が出迎えてくれるとは思わなかったので、びっくりした。今日の試合では、もう少しでゴールできたので悔しかった。明日の2試合でゴールを決めて勝ちたい。
バレエダンサーをバックに、演奏するスティービー・ワンダー
打ち上げ花火に歓喜して拍手を送る日本選手。右が木村綾さん
式典後に記念撮影に収まる日本選手ら
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