訪日プログラムに意欲:日米関係の貢献に期待
訪日プログラムの成功を祈願して乾杯する参加者。左端からヒラノ団長、JBA三宅会長。右端が堀之内秀久総領事
外務省が毎春主催する「日系人リーダー招へいプログラム」に参加し、3月に訪日するメンバー10人が先月末、全米からロサンゼルスに集結し、オリエンテーションで日本に対する知識を深めた。メンバーは、「JBA(南カリフォルニア日系企業協会)」と「米日カウンシル」共催の歓送レセプション(1月30日、小東京・ミヤコホテル)に招かれ激励を受け、日米両国の相互理解と関係増進に寄与することを誓った。
歓送会であいさつに立つ訪日派遣団のアイリーン・ヒラノ団長
2000年に始まった同プログラムは、今年で16回目を迎える。米国側をまとめる「米日カウンシル」の会長で、訪日団の団長を務めるアイリーン・ヒラノさんによると、参加者は第1回から数えて今回で計186人になり「日系人のネットワークが全米にますます広がりを見せている」と喜ぶ。米日カウンシルとJBAの協力関係について「日米関係を構築する上で、ビジネス抜きでは語ることができない。われわれにとって、JBAはすばらしいパートナーだ。日系企業社会と日系人社会の絆は年々、強まっている」と強調し、パートナーシップの継続に意欲を示した。
訪日派遣団のメンバーの職業は、会社経営者や大手企業の重役、市会議員、市警本部長、地方裁判所裁判官、法律事務所経営者などで、才能を発揮し各分野で活躍する。オリエンテーションで初めて顔を合わせ、ミッション遂行へ士気を高めた。日本では、安倍首相との面会を予定し、経団連、経済同友会と会合、神戸ではシンポジウムに参加する。
歓迎レセプションでは、メンバー一人ひとりが自己紹介し、米日カウンシルとJBAのメンバーと親睦を深めた。今年設立55周年を迎えるJBAの歴史と現在の活動がビデオで紹介され、メンバーは南加と日本の経済交流の重要性を学んだ。
訪日プログラム参加者を激励するJBA会長の三宅さん
あいさつに立ったJBA会長の三宅英夫さんは、JBAについて説明し「日系企業にとって、ロサンゼルスは依然として米国のゲートウエイであり、日系人社会の支援なしでは活動できなかった」と謝意を表した。米日カウンシルについては「日米2国の関係作りを行う重要な団体の1つである」と称賛し、JBAとのコラボレーションは「宝である」と力を込めた。派遣団のメンバーに向け「日本でのプログラムを楽しんでほしい。みやげ話を楽しみにしている」と期待を寄せた。
アルハンブラ市警に28年間務め本部長に就任して5年が経つマーク・ヨコヤマさんは、熊本と福岡からハワイに入植した曽祖父母を持つ4世。派遣団の一員に選ばれ「重要なポジションに就くメンバーばかりで圧倒されている」としながらも「メンバーに選ばれたことは、自分の人生の中で最も誇ることができることで光栄に思う。自分のルーツがある日本に初めて訪れるので、とてもエキサイトしている」と、出発を心待ちにする。
自己紹介を行い、日本での抱負を述べるプログラム参加者のヨコヤマさん
ヨコヤマさんは、中国やコスタリカなどへの渡航経験があるものの「今回はバケーションとは違い、日米関係の構築という任務を負う。日本の文化や歴史、政経の学習のみならず、日本ではすばらしいリーダーと会って、意見を交わしてネットワークを広げ、日本とアメリカのすばらしい関係作りに努め、その経験を帰国して伝えたい」と意欲を示した。この日はJBAのメンバーと交流し「普段は体験することのできない日本のビジネスマンと話すことができて、とてもいい経験を持ててよかった」と喜んだ。
JBA会長の三宅さんは、ホストを務めた歓送会について「日米交流にかかわるメンバーみんなが1年に1度集まって、日本とアメリカの関係増進について話し合う。また、全米から集まった訪日プログラム参加者を励ます貴重な機会である」と、開催の意義を強調。プログラム参加者に向け「日本が持つ文化や風土、作法を実際に体験し、みなさんの先祖が暮らした日本のよさを肌で実感し、持ち帰ってもらいたい」と期待を寄せた。【永田潤、写真も】
歓送レセプションに参加した「日系人リーダー招聘プログラム」の参加メンバーら
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