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Writer's pictureRafu Shimpo

誇りのこうのとり

 去る8月に鹿児島県の種子島宇宙センターから飲料水や食料、実験装置など約6トンの重要物を載せ打ち上げ成功した日本の無人宇宙物資補給機である「こうのとり」5号機。これを5日後、国際宇宙ステーションに滞在中の日本人宇宙飛行士がロボットアームで見事キャッチに成功、こうのとりはしっかり宇宙船に取り付けられた。素晴らしい。  このニュースをNHKで見た時に、驚き感心したのが、東京で作業を観測しようと集まった小学生がテレビに述べた言葉。男の子「宇宙での作業を見るのが初めてなのでとても楽しみにしています。成功してほしいと願ってます」女の子「ここで成功を残してまたひとつ日本人として何か勇気を与えて下さったらと願っています」書いてみると簡単そうに響くかもしれないが、笑顔で落ち着いて語る態度と首相並みといえる立派な内容に深く感心した。大人の自分でもあのように的確に無駄なく言えたかな、日本の未来を頼むよと嬉しく幸せな気持ちになったものだ。  ついでに少しこうのとりのこと。今回初めて日本人がアームを直接操作して同機をつかんだが、さらにはキャッチの作業を3カ所から全て日本人が担ったのは初めてで画期的な成功だった。筑波宇宙センターがこうのとりを宇宙船の下10メートルまで接近させ 、米国NASA宇宙センターの若田光一宇宙飛行士が通信責任者として合図を発信、宇宙船では油井亀美也宇宙飛行士が合図を受けてロボットアーム17メートルを操作、時速2800キロメートルで飛行中での危険で困難なキャッチ作業だった。  日本のこうのとりは初号機以来レベルを上げながら打ち上げと運用を成功させていて、同機のドッキング方法は以前の露式の事故を避けるべく日本のJAXAが独自に考案し10年来訓練してきた方法。国際宇宙船の生命線である物資の安定的輸送手段となり、日米露の補給機の中で露は4月、米は昨年と今年と打ち上げに失敗、無傷なのはこうのとりだけ。しかも同機は複数の大型装置を運べる唯一の手段で輸送能力が世界最大。今回も6月の米機で運ぶ予定だった飲料水の再生装置や食料など飛行士の滞在に欠かせない物資210キロを搭載した。米露の補給機が失われた現在、宇宙船に不可欠な存在となり日本の誇りだ。【半田俊夫】

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