資金調達、目標額の80%達成:建設へ前進、来年後半に着工予定
スポーツに加えてアクティビティ施設としても機能する武道館LAの1階内部
小東京に建設を目指す多目的スポーツ・アクティビティセンター「武道館LA」プロジェクトの資金調達が、このほど目標額2350万ドルの80%に達した。
同プロジェクトを推進するリトル東京サービスセンター(LTSC)のディーン・マツバヤシ所長は「皆さまの協力により、来年後半の着工に向けて必要な残りの510万ドルも調達できそう。すでに建築デザインもできあがり、環境や市場需要を分析した包括的な事業計画も立て、持続可能な運営を目指して向こう10年の予算案も組んでいる」との明るい見通しを語る。 事業家でスポーツ愛好家のアラン・コサカさんは2009年からボランティアとして資金調達の責任を担っているが、「私たちには公的な支持基盤があり、多くの人々からたくさんの寄付をもらった。この事業はコミュニティー全体によるものであり、老いも若きも、南加の日系人を引き付けるものとなる。ダウンタウンが建設ブームを迎えている中、武道館LA建設は次世代の日系人のためにリトル東京が今後も存在することを確かなものとしてくれるだろう。そのため、今後もコミュニティーからの惜しみない協力を期待している」と話している。 LTSCは2011年までに、リトル東京の西端にある不動産価値が700万ドルとされる4万平方フィートの土地の利用権をロサンゼルス市から得ていた。 「武道館LA」の名前は、東京都千代田区北の丸公園にある世界的に有名な「日本武道館」にちなんで命名された。日本武道館は当初、武道の会場として建設されたが、後にほかのスポーツや音楽コンサート、さまざまなフェスティバルなど、多目的に利用されている。
スポーツとアクティビティなど多目的 地下2階駐車場、メトロ駅から徒歩で 武道館LAは、ロサンゼルス通りの2街と3街の間、市立図書館リトル東京分館のすぐ南に位置し、建物には地下2階の駐車場が建設される。また、メトロのリトル東京駅から歩いて行ける距離に位置する。 建物の中心となるのは、バスケットボールコートが2面のある体育館で、バレーボールコートとしても使える。コートは総面積1万6000平方フィート以上の広さがあり、柔道、空手、剣道、合気道といった武道トーナメントや数々の室内スポーツなど多目的に利用できる。 また屋上には庭園とパフォーマンス・スペースが設けられ、300人から500人用の宴会、800人収容可能なコンサートもできる。さらに、体育館フロアを見渡せる中2階室内デッキや子供たちの遊び場を備えた屋外テラスもできる予定。建物には1階と屋上に2つのコミュニティールームがあり、レストラン用のキッチンも完備される。
主要機関の本拠地小東京に建設 絆を深めるユニークな場として 小東京はすでに、日系人にとって主要な機関の本拠地となっている。そうした中、小東京に建設される武道館LAは、既存の全米日系人博物館や日米文化会館、リトル東京サービスセンター、ゴー・フォー・ブローク教育センターなどとともに、130年余の歴史を誇る日系コミュニティーの過去、現在、未来をつなぐ大きな力、よりどころになっていくことが期待されている。 4世や5世、ハパ、新1世、新2世といった次世代の日系社会の担い手は現在、各地域に分散して生活している。だが、これらの若者たちが、かつて日系移民のための「入口」だった地、小東京に誕生するこの武道館LAで開催される各種のトーナメントやさまざまなコミュニティー活動に参加することにより、自らのアイデンティティーを確認できるだけでなく、日系人としての伝統や文化的、精神的な遺産を受け継ぎ、絆を深めていくユニークな場所として捉えていくと考えられている。 武道館LAの建設はコミュニティー全体の取り組みとされる。長年、コミュニティー・リーダーとして活動するアラン・ニシオさんは、「1世と2世は、現在の日系コミュニティーを築き上げてくれた。次世代のため、このコミュニティーを保存、維持していくことが、今のわれわれの役割だ」と述べ、3世、4世、新1世といった若者に対し、コミュニティー活動の一翼を担ってくれるよう力説する。 武道館LAの詳細は、ウエブサイト— www.budokanoflosangeles.com www.LTSC.org メール— bola@ltsc.org 電話213・473・3030でも情報を聞くことができる。
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