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超高齢化社会

Writer's picture: Rafu ShimpoRafu Shimpo

 3月、2週間ほど日本に滞在した。  行く先々で感じたのは、元気なお年寄りが増えていること。  折から日本老人医学会は、高齢者の定義を75歳以上に引き上げるよう提言している。  これまで「前期高齢者」としてきた65歳から74歳の人を「准高齢者」、「後期高齢者」のうち75歳から89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」とするように提言している。  昔から「50、60は花なら蕾。70、80は働き盛り」という表現がある。が、これはどこまでも励ましの言葉だった。  ところが、今や、それが現実のものになっている。高齢者の身体機能や健康状態、知的能力は年々向上し、現在の高齢者は10年前に比べると、5歳から10歳は若返っている。  新聞社の政治部記者当時、担当した政治家の一人、N氏にお会いした。今年5月で白寿(99歳)を迎える。「その日によっても違うが、少し聴力が落ちてきた」と言いつつ、補聴器をつけるや、トランプ大統領の対日政策について鋭い質問を浴びせてきた。週3回は事務所に顔を出す。  新聞社の上司だった現在主筆のW氏は91歳。今も新聞を切り抜き、項目ごとにファイルしているという。毎日午前10時から5時頃まで出社している。「トランプは本当に大統領が務まるのか」「暗殺の心配はないのか」と、こちらも知的好奇心は老いてますます旺盛だ。  むろん、高齢者間の個人差は大きい。東大高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授によれば、男性の約1割は90歳でも元気に自立しているが、約2割(女性は1割強)は70代前半で重い要介護状態になっている。  元気な秘訣は、若いころから智徳体を磨くこと、社会との接点を絶やさぬこと。そして多種多様の食材を食べる(つまり雑食)こと。これに尽きるようだ。【高濱 賛】

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