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Writer's pictureRafu Shimpo

飛べないテントウ虫

 最近気に入った新聞記事があった。友人に紹介しようと自分でも関連調査をして引用を含め、まとめてみた。  題は「飛べないテントウ虫」。千葉県立農業大学校が野菜や果物などに付く害虫アブラ虫を食べる飛べないテントウ虫を商品化し1月から販売を始めるという内容。  アブラ虫はウイルスを媒介して病気を広め、農作物に被害を与える害虫だ。ウイルス病は野菜にとって治せない不治の病らしい。  防除に化学農薬が使われてきたが薬品耐性があるアブラ虫も出現。農薬を減したい消費者要求も高まる中、テントウ虫の活用が注目されていた。  飛べないテントウ虫は今まで飛ぶ能力の低い個体を交配し品種改良で生んだ種が売られていたが、今回は羽を樹脂で固める技術が初めて成功し商品化された由。  この技術はテントウ虫に接着道具グルーガンで羽に樹脂を垂らして固定するもので、放し飼いしても農場にとどまり、1匹当り1日約100匹のアブラ虫を食べる由。繁殖能力に影響せず樹脂は約2カ月で自然に取れ再び飛べるという。  農業大学は実用化に向け、農場で放し飼いする方法を研究。パラフィン紙で作った封筒に、飛べないナミテントウを入れて開封して置くだけで農場に放たれる技術を開発した。封筒は自然分解される。  商品にするナミテントウは殺虫剤の散布やトラクターの耕うん前の農場で成虫や卵などを集め繁殖させて使う。今まで命を落としていたテントウ虫を活用することになる。  当面は農家を対象に10匹500円で販売するという。同校は、この商品を活用して自然の持つ力を借りた環境に優しい農業を県内の多くの農家に取り組んでほしい、と期待する。  この記事が嬉しく気に入った点は、羽を樹脂で固めて飛べなくする技術は県内の県立成田西陵高校の生徒が数年来開発し、2014年に特許を取得したもので、それを利用した企画という点。農業大学でさらに技術開発を加え商品化にこぎ着けた。農薬の使用を減らす害虫防除の手段として期待されているのだ。少子高齢化の日本の中で若い高校生の実践的な研究の成果のニュース。いいな、と嬉しく心強くなるではないですか。【半田俊夫】

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