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Writer's pictureRafu Shimpo

魔法が解けるとき

 このタイトルから、眠り姫が目を覚ましたとか、白雪姫の話など、ちょっとロマンを想像するかもしれない。ちょうど、バレンタインデーの時期でもあるし。  事実は、全く夢を壊すような話なのだ。しかし、本当に魔法が解けたとしか言いようがない。突然、蕁麻疹(じんましん)が体中に出たのだ。46年間、何事もなかったのに、復活した時だった。小中高の10年間、蕁麻疹に悩まされていたものが、体質改善がうまくいって、治って以来忘れていた。何を食べても、何をしても何も起こらなかった。  あの46年間は、魔法が掛けられていたんだ。それが、解けたんだと思った。知人は、60過ぎると昔あったことが、また出てくるのよ、と言った。そうか、還暦でまた子供に帰るときに、それまで忘れていたことが、また復活するのか。きっちり60ではなくても、その数年で魔法が解けたように出てきてもおかしくはないか、と納得。  人の体というものは、面白いというか、不思議だと思う。疲れやストレスで不調をきたす。それがはっきり血圧上昇や心電図に不調が現れると医学的処置で解決できるが、全く数値として現れないこともあるから、やっかいだ。何十年も休みなく動いて、生命を維持する臓器等が疲れて悲鳴を上げることもあろう。そのサインがどういう形で現れるのかで、どこに無理がかかっているのか、ということになろう。  体が送ってくるサインを見逃さないよう気を付けてと思うが、だんだん感覚が鈍くなってくるし、当てのないこと。何かが起こったら、来たぞと付き合うのがいいだろう。  周りの人たちから聞く話でも、多くの人がいろいろな心身の悩みを抱えている。我慢できない痛みや、心臓が苦しい、動けないなど、緊急に医療機関に行く必要に迫られる症状はともかく、少しだったら悩みがあった方がいいかもしれない。他人への気配り、加減を考えて活動をするようになるかもしれないとも思う。  地球上の自然も、地震、大雨、大雪、竜巻など、猛威を振るっている。自然をコントロールしていたと思い込んでいた人間は魔法をかけられていたと同じ。解けた魔法は、もうきかないだろう。【大石克子】

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