CDC発表:ヘロイン服用者30万人に
2002~13年の間に米国でヘロイン服用者が30万人に達し、服用率が63%増加したことが、米疾病管理予防センター(CDC)が7日に発表した調査結果で明らかになった。過去10年間で服用者数が急増し、高所得の女性に多いことも分かった。
CDCは毎年およそ6万7千人の米国人を対象に、非合法薬物の服用に関する調査を実施。昨年度は1千人に3人がヘロインを服用していたことが分かった。10年前は1千人に2人以下だった。 専門家によると、オピオイド鎮痛薬とよばれる医療用麻薬からより安価なヘロインを服用する人が増えたことが影響しているという。 先日、日本で麻薬取締法違反容疑で逮捕されたトヨタ自動車の元常務役員、ジュリー・ハンプ容疑者が密輸したとされる麻薬成分「オキシコドン」もオピオイド鎮痛薬に含まれる。米国では医療用麻薬に分類され、がんの鎮痛に使われるほど強い効果がある。入手するには処方箋が必要で、国際麻薬統制委員会(INCB)によると、米国のオキシコドン消費量は世界一だという。 薬物中毒について研究するコロンビア大学の医学者キャサリン・キース氏によると、ヘロインの服用者でもっとも多いのが大都市郊外に住む白人で、中毒になるリスクがもっとも高いのが、18〜25歳の年収2万ドル以下の白人男性だという。 また女性の服用者が急増し、高所得の女性に多いことも分かった。年収約5万ドルの人の服用率は60%増だった。 当局は近年、処方箋鎮痛剤のVicodin(バイコディン)やOxyContin (オキシコンティン)の乱用が増加したことを受け、規制を強化。入手が困難になった処方箋鎮痛剤に代わり、含まれている成分がほとんど同じで同様の効果が得られるヘロインの服用者数が増加したとみられる。 ヘロインは路上にいる売人などから購入すると、処方箋鎮痛剤の約5分の1の値段で購入でき、入手が容易なことも増加につながっているとCDCのディレクターのトム・フリーデン氏は警鐘を鳴らす。 ヘロインによる致死率は過去10年間で約4倍上昇。13年にはおよそ8300人が過剰摂取で死亡した。その多くがコカインなど他の薬物との乱用が原因となっている。
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