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Writer's pictureRafu Shimpo

LAで気候変動サミット:バイデン副大統領、加州知事ら地球温暖化を協議

温室効果ガス排出量の削減に向け、米中の積極的な取り組みの重要性を訴えるバイデン副大統領

温室効果ガス排出量の削減に向け、米中の積極的な取り組みの重要性を訴えるバイデン副大統領

 ロサンゼルス市をはじめ米国と中国の主要都市の代表者が、地球の温暖化問題について話し合う「気候変動対策サミット」が当地LAで開催された。15、16日の両日にわたって行われたサミットにはLA市のエリック・ガーセッティー市長をはじめ、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事らが出席。16日にはジョー・バイデン副大統領が参加し、温室効果ガス排出量の削減に向け、2国間における積極的な取り組みの重要性を訴えた。【吉田純子、写真も】

中国の代表者と意見交換するカリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事(左)

中国の代表者と意見交換するカリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事(左)

 同サミットは25日にワシントンDCで行われるオバマ大統領と中国の周近平国家主席の首脳会談を前に行われた。  米側からはLA市のほかシアトル、アトランタ、ソルトレイクシティなど、中国側からは中国の習国家主席代理の楊潔チ国務委員、北京市の李士祥副市長をはじめ、広州市、四川省など主要都市の代表者らが出席した。  両国の代表者は、各都市の交通網や発電設備、住宅など都市計画における温室効果ガスの削減計画や、気候変動に関して現在行っている取り組みを発表するとともに、今後、二酸化炭素の排出を抑える低炭素技術の発達や、温室効果ガスの排出量を定期的に発表することで合意した。  さらに州や都市ごとに設定する目標を発表。カリフォルニア州では温室効果ガスの排出量を、2050年までに1990年比で80%〜90%削減を目指す。北京市と広州市は2020年をピークに排出量を減少させ、さらに深刻化する大気汚染問題にも積極的に取り組む。LA市では50年までに排出量の80%削減を目標としている。  二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが大量に排出されると、大気中の濃度が高まり、熱の吸収が増え気温が上昇し、地球温暖化の原因となる。加州は4年におよぶ記録的な干ばつで、加州の水源の約3分の1を賄っているシエラネバダ山脈の雪塊氷原が過去500年間で最悪の状況となっている。  温室効果ガスの排出量は世界第1位が中国で27・8%、米国が2位で15・8%だ。世界の排出量の合計は約326億トン、うち中国は毎年約90億トン、米国は50億トン以上を占めている。日本はインド、ドイツに次いで世界第5位(3・7%、約12億トン)。  バイデン副大統領は、「気候変動は今や環境問題だけではなく、経済問題や国家の安全保障問題にまで進展している」と危惧。12月にはパリで、温室効果ガスの削減を定めた国際条約の締結を目指す「国連気候変動会議(COP21)」が開催されることから、「今回の合意が、年末に控えた国際条約締結に向け大きな一歩になるだろう」と力を込めた。  加州のブラウン知事は、「多くの人の関心が移民問題や税制などに集中し、気候変動については問題意識が薄い。今こそ米中の2国が問題解決に向け、世界を先導していかなければならない」と述べた。  ガーセッティーLA市長は「米国と中国が世界の温室効果ガス排出量のおよそ40%を占めている。2大排出国が積極的に削減に向け今後連携していかなければならない」と話した。  米中両首脳は昨年11月、温室効果ガス削減に向けた長期計画を発表。米国は2025年までに温室効果ガスの排出量を05年比で26%から28%削減させることを目指し、中国は、30年前後をピークに二酸化炭素の排出量を減少させ、気候変動に関し両国が互いに協力し合うことで合意した。  年末に開催されるCOP21では、京都議定書に続く各国の国際枠組みの合意を目指す。

温室効果ガスの削減計画や、気候変動について協議した米中主要都市の代表者。(前列左から)ガーセッティーLA市長、北京市の李副市長、加州のブラウン知事

温室効果ガスの削減計画や、気候変動について協議した米中主要都市の代表者。(前列左から)ガーセッティーLA市長、北京市の李副市長、加州のブラウン知事


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