LAねぶた、4年連続で参加:10万人魅了、大声援と拍手浴びる
ちょうちん持ちを先頭に、ハリウッドの目抜き通りを練り歩くねぶた
セレブに混じりレッドカーペットでポーズをとるハネト
4年連続で「ハリウッド・クリスマスパレード」(11月25日)に参加した「LAねぶた」は、レッドカーペットに威風堂々と勇姿を現し、3・2マイルを約80分にわたり練り歩いた。ねぶたを盛り上げるハネトと囃子は地元約120人に日本から約50人が加勢し、勢いを増し10万人を超える観衆を魅了、大きな声援と拍手を浴びた。
日本からは、本家の青森をはじめ東京(囃子とハネトの3団体)と仙台から応援に駆けつけた。ハネト集団「跳龍会」関東支部副長の村山健一郎さんは、日本から唯一参加した3年前は「エンターテインメントの国アメリカ独特のノリのいいお客さんにこちらが乗せられた感じがした」と、青森とは違った感動を覚えたという。
高く飛び跳ね、観衆をひき付ける村山健一郎さん
翌年から仲間を連れ、毎年欠かさず参加している。ねぶたの醍醐味は「災いを睨むねぶた、その災いをはね除けるハネト、ハネトをはやし立てる囃子が『三位一体』となって初めて運行できる」と説き、また「青森とLAと東京も三位一体で、強い絆を感じる」と表現する。今年のパレードは「ハリウッドは、やっぱり盛り上がる。お客さんも含めた『四位一体』の気がした」と述べた。 昨年、パレードに参加した青森明の星短期大学長の石田一成さんは「青森の学生にねぶたにかかわる日系社会の頑張りを見せたい。そしてハリウッドで青森文化を見せてほしい」と願い、今回は青森大から3人、青森明の星短期は2人の生徒を連れて帰ってきた。石田さんによると、パレードの参加は青森にある六つの大学と青森市、青森商工会議所が手を組み、年間を通し展開する大学や地域振興など事業の一環。 訪米団の団長を務めた青森山田学園理事長の岡島成行さんは、学生の初めての参加を「相互交流の第一歩」ととらえ
青森山田学園の岡島成行理事長(右)から寄付金を贈られるLAねぶた囃子保存会の豊島年昭会長
「ロサンゼルスと青森の若者の互いの交流につなげたい」と願う。「青森には学生寮と日本語学科もあり、受け入れ態勢がある」と強調し、はじめは夏や春休みを利用した1、2カ月の短期、いずれは1年の留学を受け入れる意向を示している。さらに「青森は春夏秋冬の明確な四季があり、伝統行事は田植えや桜、紅葉、スキー場、もちろんねぶたもあるので、地方独特の日本文化、『リアル・ジャパン』が味わうことができる」と力を込める。「青森の若者を気候のいいカリフォルニアに送り交流が進めば、互いに人生観が変わる」と期待を寄せた。 LAねぶたの活発な活動を目にした岡島さんは「日本を代表する祭りは各地にあるけど、青森のねぶたを選んでもらってアメリカで紹介してもらいうれしい。この調子で続けてもらいたい」とエールを送った。学生の参加については「生徒が来年来たい気持ちになったことが大きい」と、手応えを掴んだ様子で語った。
大きな太鼓を叩く山中唯華さん
青森出身で子どもの頃から囃子でねぶた祭に参加している青森明の星短期大1年の山中唯華さんは太鼓を叩き「LAの囃子と一緒に参加し、大きな拍手をしてもらい感動した。いい思い出になった」と述べた。ハネトの青森大2年の岩谷凌太さんは「動画を撮っている人を見るとやる気がいっそう湧いた」といい、観衆のそばに寄って力強く跳んだ。レッドカーペットを元気よく跳ねた同大2年の吉沢祐希さんは「みんなの前で注目され、女優になった気分で楽しかった」と笑顔で話した。LAねぶた囃子との交流について5学生は「初対面でもフレンドリーで話しかけてくれた。アメリカでもねぶたができて、来年も来たくなった」と口を揃えた。 LAねぶた囃子保存会会長の豊島年昭さんは「ハリウッドは年々盛り上がり、特に今年は50人も日本から応援に来て協力してもらって、元気のよさを見てもらえたと思う」と胸を張った。レッドカーペットは「いつ歩いてもいい。気持ちがよかった」と快感に浸った。来年設立30周年を迎える青森ねぶたの「菱友会」から招待を受けており「特徴のあるLAのねぶたを見せたいし、本場の違いを見てメンバーが学んでほしい」と願い、参加に前向きな意志を見せた。【永田潤、写真も】
元気に跳ねるハネトの隊列
LAと東京の両囃子会の息の合った演奏
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