LA地区:大気汚染の死者1300人
スモッグが一面に立ちこめ、曇っているのが分かるロサンゼルスの空の様子
大気汚染を原因とする死者がロサンゼルス地区で年間1300人以上いることがニューヨーク大学と米胸部疾患学会(ATS)が行った調査で明らかになった。調査結果によると、LA都心部の大気汚染レベルはATSが推奨する基準を超えており、年間1341人が大気汚染を原因とする疾患で死亡していると推定された。【吉田純子、写真も】
全米の都市別にみると、次いでリバーサイド・サンバナディーノ地区が808人、ペンシルベニア州ピッツバーグが285人、アリゾナ州フェニックスが283人、ニューヨークが282人と続き、上位2位をカリフォルニア州が占める結果となった。 全米の大気汚染による死者数は9321人で、2013年の全米の飲酒運転による死者数の1万0076人に迫る結果となった。 調査は2011年から13年にかけての大気の汚染データと健康被害に関する研究結果、さらに1万5千人以上の医療専門家の研究をもとに行われた。 調査結果によると南カリフォルニア地区はほかの地区よりもオゾンや粒子物質による汚染被害が深刻で、自動車の排気ガスはもとより、夏に多発する山火事も大気の質に影響を与えている可能性があると専門家は指摘する。 また大気汚染がこどもや高齢者、呼吸器疾患、循環器疾患の患者にもっとも悪影響を及ぼし、大気汚染レベルが高い日にはこうした患者がぜんそくや心臓発作、脳卒中、肺炎などで病院に搬送されるケースが増加し、最悪の場合は死に至ることもあるという。 専門家はオゾンと粒子物質による汚染を減らすことで、心臓疾患や脳卒中、肺疾患など大気汚染に関連して引き起こされる病気を予防できるとしている。 環境保護庁が推奨しているオゾンの大気環境基準値は0・070ppm。南カリフォルニア大気環境管理局によると、今年に入ってからLA地区で連邦が定める大気環境基準値を超えた日数は91日。前年同時期の67日と比べ増加しており、さらに8月はずっと基準値を超えているという。 ATSではさらに厳しい0・060ppmを推奨している。
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