LA市長が施政方針演説:雇用、ホームレスなど課題
施政方針演説でホームレス問題や失業率の改善に向けて取り組んでいくと発表したLA市のエリック・ガーセッティー市長=14日
ロサンゼルス市のエリック・ガーセッティー市長は14日、ハーバーシティーにあるLED製造会社「Noribachi」で施政方針演説を行った。2016年のLA市はインフラ整備をさらに進め、雇用の創出と犯罪率の低下、深刻化するホームレス問題の解決などに向けて取り組むと発表した。【吉田純子、写真も】
LA市では今後10年でおよそ25億ドルを投じてロサンゼルス港の近代化を図るほか、ロサンゼルス国際空港(LAX)の改修工事や、渋滞緩和と市内アクセスの向上のため新たな交通網の建設が進められている。
現在メトロ(ロサンゼルス郡都市圏交通局)はLAXへの列車でのアクセスを可能にするため、クレンショーとLAX間を運行する全長8・5マイルの路線計画を進めており、こうしたインフラ整備を通して、LA市ではアトランタ市の人口の半分以上に相当する56万人の雇用を創出しているとガーセッティー市長は話した。
失業率に関しては、市長就任前のLA郡の失業率は12%以上だったのに対し、現在ではその半分以下にまで改善していることに触れ、雇用が回復していると強調した。最新の雇用統計によると2月の全米の失業率は4・9%、カリフォルニア州は5・5%、LA郡は5・6%だった。またLA市庁舎では今後2年間で職員およそ5千人を採用することを検討中だと話した。
教育に関しては昨年、オバマ大統領が公立の2年制大学の無料化を提案したことを受け、ガーセッティー市長はロサンゼルス統一学校区(LAUSD)を卒業した2年制大学進学者を対象に、LAのコミュニティー・カレッジ学校区の学費を1年間無料にする案に支持を表明した。
また24年の夏季オリンピックとパラリンピックの招致や、1994年までLAを本拠としていたナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の「ラムズ」のセントルイスからLAへの移転などをあげ、「LAは大きなことを成し遂げられる都市だ」と力を込めた。
今後解決すべき課題としてLA市の犯罪率の改善とホームレス問題をあげ、犯罪防止対策として、市内を巡回する警察官およそ260人を増員するため、デスクワークを市民に委託することを検討していると話した。LA市の昨年の暴力犯罪率は20・2%、窃盗犯罪率は10・7%上昇していた。ガーセッティー市長は同市の犯罪の防止に一層力を入れていくと話した。
ホームレス問題に関しては1億3800万ドルを投じて、住宅支援など路上で生活するホームレスの救済策を実施するとしている。
施政方針演説で雇用創出に向けた取り組みを一層強化すると語ったガーセッティー市長(中央)と、今年ロサンゼルス市に採用された市民
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