LA市長:テント撤去条例案、署名せず
LA市内の歩道には至る所にホームレスが寝泊まりするテントが張られている
先週、ロサンゼルス市議会で承認された同市内の歩道にあるホームレスのテントや私物の取り締まり強化条例案だが、エリック・ガーセッティーLA市長は6月30日、同条例案の修正と施行延期を要求。署名は行わず、同条例案はいったん市議会に戻され、再び検討されることになった。
同市ではホームレスの多くが歩道や公園、ビーチなどにテントを張って生活しており、ホームレス人口の増加とともに、テント数も増加の一途をたどっていた。 同条例は、ホームレスが警察官など同市職員から歩道に張ったテントや私物の撤去を命じられた場合、24時間以内に従わなければならないというもの。従わなかった場合は強制的に撤去される。 回収したテントや私物は、同市が90日間保管し、その後持ち主が引き取りに現れなかった場合は処分される。 また午前6時から午後9時までの時間帯に同市内の歩道にテントを張ることも禁じられていた。 これまでは撤去が命じられてから72時間以内に従わなければならなかったが、より時間が短縮され取り締まりが強化される内容だった。 同市長は条例案の支持を表明する一方、「路上での生活を余儀なくされている人々の権利を今一度考慮すべきだと考えた。彼らにとってテントや私物は生活必需品。それらなくして生活するのは非常に困難なことである」と声明を出し、市議会に再検討を要求した。 ロサンゼルス・ダウンタウンを管轄し、ホームレス問題に積極的に取り組むホゼ・ウイザー市議(14区)は、「同条例は、同市全域に増加するホームレスのテントや私物対策として効果が期待できる」と話し、同条例を支持していた。 一方反対派からは、貧しい人々やホームレスに対する差別だとする意見もあがっている。 ロサンゼルス・ホームレス・サービス局(LAHSA)の最新の調査結果によると、今年1月までのLA市のホームレス人口は2万5686人。2013年から15年までの2年間で12%増加している。 同市ではホームレス問題解決に向けてこれまでに約1億ドルの予算を費やしている。
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