LA郡地方検事、ハリス州司法長官:漏出事故 でガス会社を提訴
これまでに9万トンを超えるメタンガスが漏出し、今も漏出が続いているポーターランチのSoCal Gas 施設
ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設から大量のメタンガスが漏出している問題で、LA郡のジャッキー・レイシー地方検事は2日、事故発生直後からガス会社が事故原因などの報告義務を怠ったとして同社を提訴した。カマラ・ハリス加州司法長官も今回の事故に関し、同社の対応は加州法に違反するとして、訴訟に加わると発表した。【吉田純子、写真も】
ハリス州司法長官は、カリフォルニア州法では漏出事故発生後、直ちに当局に事故の報告をし、漏出をくい止める措置を行うことが義務付けられている。しかし、同社はそれを怠り、カリフォルニア州法で定められている健康と安全に関する法律に違反したと指摘。訴訟ではメタンガスの漏出が今も続いている事態を受け、環境への影響も追及していく。 ハリス司法長官は声明で、「ガス漏出はポーターランチの住民の生活に多大なる影響を及ぼしただけでなく、これまで加州が全力をあげて温室効果ガスの削減に向け取り組んできた努力をも踏みにじっている」と主張。ガス漏出から加州の環境と市民を守るため、加州司法局は全勢力を挙げて追及していくとしている。 罪状認否は2月17日に行われ、有罪判決が下された場合、ガス会社は大気を汚染した罪で1日につき1千ドルの罰金が科されるという。 また同日行われたLA市議会では、ポーターランチを含むLA市の第12区を管轄するミッチェル・イングランダー市議が、SoCalGasの今冬のガス料金が著しく上がっていたとして、カリフォルニア公益事業委員会に対し値上がりの原因を調査するよう要請する法案を提出した。 イングランダー市議によると同社の顧客の中には例年同時期と比べガス料金が4〜6倍に上がっている顧客もおり、同市議以外のLA市議のもとにも、市民からの苦情が多数寄せられているという。 イングランダー市議は、「ガス料金の値上がりは同社のガス漏出事故の後に起きている」と指摘。料金の値上がりとガス漏出事故の関連性を調査するよう求めた。 これまでのところSoCalGas側は、今冬は例年より寒かったことが影響し、ガスの利用が多くなったと主張。関連性を否定している。 昨年10月23日にガス漏出が発生して以来、3日現在までのメタンガス漏出量は9万トンを超えた。ガス会社によると、漏出をくい止める作業が終了するのは2月下旬になるという。 加州議会上院では先月下旬、ガス漏出の即時停止などを求める規制案が全会一致で可決した。また加州民主党のバーバラー・ボクサー、ダイアン・ファインスタイン両上院議員も連邦政府に働きかけ、ガス漏出事件の調査を依頼すると発表している。
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