LA郡:西ナイル熱、感染増加を懸念
ロサンゼルス郡公衆衛生局は、加州への到来が予測されているエルニーニョ現象の影響で、来年の同郡の西ナイル熱感染被害が例年と比べ増加する可能性があるとして警戒を強めている。
同郡の伝染病管理グループの代表を務めるベンジャミン・スチュワーツ医師は27日、LA郡参事会に、西ナイル熱の発症件数は過去3年間で年々増加しているとして注意を呼び掛けた。 2014年の同郡(ロングビーチとパサデナ地区は除く)の西ナイル熱感染は218件で、死者は7人報告されている。今年は22日までに110人が感染し、8人が死亡した。 同郡で最初に西ナイル熱感染が確認されたのは03年、最初の死者がでたのは04年だった。 西ナイルウイルスは蚊を媒介とする感染症ウイルス。カラスやスズメなど鳥の体内で増殖し、その血液を吸った蚊に刺されることで、人に感染する。感染者のほとんどに症状が表れず、軽い症状として吐き気や発熱、湿疹などがあげられている。 当局によると、西ナイル熱の感染は9月から10月にピークを迎える傾向があるという。 マイケル・アントノヴィッチLA郡参事官によると、感染者の増加は、気候変動やウイルスに感染した鳥の増加など、さまざまな要因が考えられるという。 今年到来が予測されているエルニーニョ現象は、大雨や高温多湿を引き起こすため、蚊が発生しやすい環境になることから、当局は来年の西ナイル熱の感染被害の増加を懸念する。 同医師によると、もっとも感染被害が予測されるのはサンゲーブルバレー、サンファナンドバレー、ウィッティア市やベルフラワー市近郊の同郡東南部だという。 また蚊を媒介とするウイルス性伝染病のデング熱やチクングニア熱の発症も懸念されている。これらのウイルスを媒介する蚊のヒトスジシマカやネッタイシマカの2種が、同郡各地で確認されていることから、当局は住民に注意喚起を促している。
Comments