LAX近代化計画 :総工費50億ドル、 LA史上最大の建設事業
LAX近代化計画を説明し意欲を示すガーセッティー市長
総工費50億ドルを投じて全自動無人運転車両の開通や新たな施設の建設などが提案されているロサンゼルス国際空港(LAX)の近代化計画で、ロサンゼルス市のエリック・ガーセッティー市長は4日、同計画に関する産業フォーラムに出席した。同計画に関心を寄せる国内外の企業の代表者らおよそ900人が参加する中、ガーセッティー市長は計画の詳細を発表した。【吉田純子、写真も】
車両乗降場のほか駐車場、自動チェックイン発券機などが完備されたインターモーダル輸送施設の完成予想図
同計画が実施されればLA史上、最大規模の建設事業となる。フォーラムにはLA市が運営するロサンゼルス国際空港公団(LAWA)のデボラ・フリントCEOをはじめ、LAXを含むLA市の第11区を管轄するマイク・ボニン市議らも出席した。
同計画は空港利用者の利便性の向上、空港周辺の渋滞緩和、テクノロジーの変化に対応した空港の安全性の強化を目的に立案され、大きく分けて4つのプロジェクトで構成されている。
ひとつはターミナルと空港主要施設を結ぶ全長およそ2・25マイルの全自動無人運転車両の開通で、24時間体制で運行する。列車の待ち時間は2、3分。1時間で最大6千人の乗客を乗せることが可能なシステムを目指している。
2つ目はレンタカー各社の営業所の統合。現在、空港付近各所にあるレンタカーの営業所を1カ所にまとめる計画だ。空港から他エリアへのレンタカーでの移動をしやすくするため、施設はフリーウエー#405に近い場所に建設する予定。
3つ目はシャトルバスやタクシーなどの車両乗降場のほか駐車場、自動チェックイン発券機などが完備されたインターモーダル輸送施設の設置。旅客は同施設から全自動無人運転車両に乗ってセントラル・ターミナルエリアに移動しセキュリティー・チェックを受け、搭乗する。荷物の預け入れは同施設ではなくセントラル・ターミナルで行われる。同施設はフリーウエー#405とセプルベダ・ブルバード付近に建設が予定されている。
4つ目は空港周辺の道路整備で、渋滞緩和を目的とした新たな道路やフリーウエー出入口の建設を予定している。
このほかにメトロ(ロサンゼルス郡都市圏交通局)が現在、クレンショーとLAX間を運行する全長8・5マイルの路線計画を進めており、LAXへの列車でのアクセスも可能になる。駅はアビエーション・ブルバードと96th Streetの交差地点に出来る予定で、現在路線建設工事が行われている。完成は2019年を予定している。
ガーセッティー市長は「LAXはLAを訪れる人々のゲートウェイである。近代化計画を図ることで旅行者の増加が期待でき、空港から市内へのアクセスも便利になることでより一層快適な空港となるだろう」と意気込みを語った。
同計画はすでに昨年末、LAWA理事会で承認されており、現在、実施に伴い発生しうる近隣ビジネスや、空港運営への影響などが調査されている。調査結果は今年末に発表され、その後LA市議会で審議される。 LAWAは2007年からこれまでにおよそ40億ドルを投じて同空港の近代化計画を実施してきた。トム・ブラッドレー国際線ターミナルの拡張工事もそのひとつ。 LAXはジョージア州アトランタ市にあるハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に次いで全米で2番目、カリフォルニア州では最大の旅客数を誇る国際空港で年間5500万人以上が利用している。
LAX近代化計画の完成予想図
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