NY市:全米初、塩分過多のメニューに表示義務
ニューヨーク市の飲食店で1日から、1日の摂取量として推奨されている2300ミリグラム(約ティースプーン1杯分)以上の塩分量が含まれているメニューに、塩分過多を示す「塩マーク」の表示を義務づける条例が施行された。米国で増加の一途をたどる生活習慣病対策の一環として、全米初の取り組みとなる。
塩分過多のメニューに今後表示される「塩マーク」
対象となるのは全米に15店舗以上を展開する飲食チェーン店。 同市の死亡者のおもな死因として、塩分の過剰摂取により引き起こされる心臓疾患があげられている。同市の保健当局の統計によると、2013年にはおよそ1万7千人が心臓疾患で死亡した。 10年の統計によると、NY市民1人あたりの1日の塩分摂取量は3200ミリグラム以上で、人種別にみると黒人やヒスパニック系の塩分摂取量が多かった。 塩分の過剰摂取は脳卒中や高血圧のリスクも高めるとして、同市ではこれまでにも市民の健康面の向上や意識改革に努めてきた。 同条例をめぐっては、塩分の含有量に関しては連邦のガイドラインに従うべきで、市が独自に規制を設けるべきではないとする意見が相次ぎ、レストランチェーンや食塩メーカーは反対していた。 米国人の1日の平均塩分摂取量はおよそ3400ミリグラム。NYが発祥で現在日本を含め世界で992店舗を運営するアメリカ料理店「ティージーアイ・フライデーズ(TGI Friday’s)」の人気メニューのチェダーチーズとベーコンのハンバーガーには4280ミリグラム、カジュアル・アメリカ料理のチェーン店として知られる「チリーズ・グリル・アンド・バー(Chili’s Grill & Bar)」のバッファロ・チキン・サラダには3460ミリグラムの塩分が含まれている。 塩分含有量のメニューへの表示を怠った店舗には3月1日から200ドルの罰金が徴収される。 同条例案は今年9月にNY市議会で全会一致で承認されていた。【吉田純子】
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